自分の気持ちを率直に伝えたり、自分の考えをきちんと伝えることは難しい、しんどい、と感じることはありませんか。また言いすぎてしまった、もっとはっきりものが言えたらいいのに、上手に断れるようになりたい、攻撃的な言い方をやめたい、自信をもって人と接することができるようになりたい...。
でも、どうやったらそんなふうにコミュニケーションすることができるのでしょうか。その道しるべとなってくれるのが「アサーティブ」です。
アサーティブネス(Assertiveness)の訳語は、「自己主張すること」。でも、アサーティブであることは、自分の意見を押し通すことではありません。自分の気持ちや意見を、相手の気持ちも尊重しながら、誠実に、率直に、そして対等に表現することを意味します。
しかし、長年身についた言い方の癖や態度はなかなか変えられません。それには練習が必要です。自分のコミュニケーションパターンに気づき、それをアサーティブなものに変えていく学びと練習が、アサーティブ・トレーニングなのです。
コミュニケーションが原因で人間関係に悩んでいる方は、自分の性格のせいだからと諦めたり開き直ったりはしていませんか?「引っ込み思案だから強く主張できない」「短気だからすぐカッとして怒鳴ってしまう」「自信がないからつい断れない」「素直じゃないからほめてもらっても嬉しくない」など...。
たしかに、生まれつき社交的でコミュニケーションの得意な人はいます。しかし、社交的であることと、伝えたいことを適切に伝えられることは、分けて考えなければなりません。
コミュニケーションのよしあしは、性格で決まるものではありません。なぜなら私たちは子供の頃から上手なコミュニケーションの方法を学んではきていないのですから。
大事なのは、性格を社交的にするといったものではなく、「本当に必要なこと、伝えたいと思っていることを、適切な言葉で伝えられる」というスキルや考え方の部分です。性格ではなくスキルの問題ですから、アサーティブによるトレーニングで、身につけていくものなのです。
自分さえ我慢すればいいとか、相手が思い通りに動いてくれないなら切り捨てるといったやり方ではなく、自分も相手も尊重する話し方のスキルを身につける。そうすることで、大事な思いを伝えられなかったり、ストレスが爆発して人間関係を悪化させるということなく、毎日を生きることができるのではと思います。
このウェブサイトでは、皆さんのコミュニケーションの悩みを解決していくためのヒント、方法、考え方がたくさん紹介されています。コミュニケーションの悩みを解決するのには、それなりの時間がかかりますから、焦らずじっくりと読んでいただき、また悩んだ時は、何度でもこの場に戻ってきてもらえれば幸いです。
このウェブサイトで紹介している様々なアサーティブなヒントをより深く理解してもらうために、アサーティブの根っことなる考え方を紹介します。
たとえ、どんなに言葉が丁寧でも、心の中で相手を見下していたり、ばかにしていたりすると、それは自然に相手に伝わります。一方で、表現が多少下手でも、誠実で真摯な言葉は相手の心を動かします。アサーティブな伝え方は、スキルとしての側面もありますが、支えているのは、誠実に、真摯に、相手と向き合おうとする心の持ちようです。それが、「誠実」「率直」「対等」「自己責任」の4つの柱です。この4つの柱がしっかりしていれば、出てくる言葉は、自然とアサーティブなものになります。
アサーティブでは、相手の自己表現の権利を侵害しない限りにおいて、すべての人に自己表現の権利があることを前提としています。これらの権利を行使するかどうかは、自分自身で決めます。行使した結果、行使しなかった結果についての責任は自分が取るということも、大切なポイントです。
自分にも相手にも、自己表現の権利があることを認めることで、アサーティブな人間関係の土台を築いていくことができるのです。
次にご紹介するのは、『第四の生き方』(アン・ディクソン著)に紹介されているものです。具体的な内容は基礎講座の中でじっくり学びますので、ここでは、その一部のご紹介に留めます。ぜひ触れてみて下さい。