2013/10/8 ほめる

ほめることから始まった関係

転職した新しい職場の横に小さな自転車屋がある。

60歳くらいの男性店主が一人でいつも元気に自転車修理をしている(もちろん販売もしている)。
僕がこの店の前を通る時、大抵お客さんが椅子に座って店主と話をしている。
ここの店主はそんなに腕がいいのだろうか?

毎日顔を合わせるため、そのうちどちらからともなく挨拶程度の言葉を交わすようになった。

それから1年ほど経ったある日、自転車屋の看板が真新しいものに変わっていた。
それは鮮やかな青地に白い文字で店の名前が書かれたものだった。

僕は、すごくいい、と思った。
それをすぐに伝えたかったが、率直に伝えるのが苦手でその時は何も言えなかった。
だが先日受講したアサーティブトレーニングの「ほめる」ポイントを思い出し、翌日ドキドキしながら話しかけた。
「あの、新しい看板すごくいいですね、清々しい青がお店のイメージに合ってると思います。」

すると店主は言った。
「おお~ありがと~。青といっても何種類もあってな、
どれにしようかすごく迷った末にこの青に決めたんだよね。
だからそんな風に言ってもらえるとすごく嬉しいよ」と。

うわ!アサーティブな返答!
自分のメッセージを「受け取ってもらえた!」と、こっちまで嬉しくなった。

この日以来、店主との会話が増えた。
何気ない会話だけど彼と話しているとなんかいい気分になる。
僕の中で彼のあだ名は「アサーティブおじさん」(笑)

この自転車屋にお客が絶えない理由がわかった。