2017/11/7 率直に頼む

『強く言えば、相手は黙る』の悪循環

一緒に仕事をしている部下からAという仕事の進捗状況の報告があがってこない。

気になって「Aの件、どうなってる?」と声をかけると「あ、大丈夫です」という返事が返ってくるのみ。

「そうなんだ。で、どんな感じ?」と再度尋ねると「大丈夫です。ちゃんと進んでいます」と先ほどと同じような返事が返ってきた。

『こちらの質問にちゃんと答えていないし、そもそも大丈夫かどうかを判断するのは私の仕事なんだよ!!』

と思ってカチンときた私は、

「だから、何が大丈夫かちゃんと説明しないと分からないでしょ!」ときつい調子で問い詰めた。
部下は「すみません・・・」と返答したものの、結局、進捗状況は分からずじまい。

しばらくイライラしていたが、冷静になって考えてみた。

『強く言えば、相手は黙る。そしてますます報告はあがってこない。
・・・なんだかいつもこの繰り返しになっているなあ』

もしかしたら自分の伝え方に工夫がいるのかもしれない。
この悪循環を打破すべく、ここはひとつ(半信半疑で)アサーティブを活用してみることにした。

まずはアサーティブのセオリーに沿って、自分の要望を明確にしていこう。
私が部下に求めるのは、できていることもできていないことも含めて、進捗を正直に報告してほしいということ。

さて、「進捗を報告してほしい」とは、具体的にどのタイミングで? どれくらいの内容を? どういうやり方で? 口頭でそれともメールで?
自分が相手に求める要望を具体的に絞っていくのってけっこう難しい!

考えた結果、部下に求める要望としてはこのようになった。

「週に一度(月曜日の朝)、Aの件について、進捗状況をリストアップした資料を基に、口頭で報告してほしい」

うん。これだ!
自分の中でまとまったので、再び部下のところへ行って話しかけてみた。

「さっきはきつく言い過ぎて申し訳なかった。
実は、Aプロジェクトの件で再度お願いしたいことがあるんです」

と、落ち着いて話を始めた。

そうすると部下は
「実は、思いのほか作業が進まずに苦戦しているのですが、迷惑をかけてはいけないと思い、つい『大丈夫です』と言ってしまいました。すみません」
と正直に話してくれ、現状を報告してくれた。

今後は毎週月曜日に5分ほど、進捗報告の時間を取ることになった。

相手にしてほしいことを具体的にすると、こんなにも相手の反応が変わるのかとびっくり。
これからはあいまいな言い方はやめて、具体的にそして落ち着いて伝えていこう。