2022/2/23 気もちを伝える

電車の中の「暴言」に対して

混みあった電車の中でのこと。
小さな子どもを抱っこしたお母さんが立っていたんだけど、子どもがぐずってかなり大声で泣き出した。
私はちょっとハラハラ。
 
お母さん、一生懸命あやしてなんとか泣きやまそうとしているのだけど、子どもはそり返ってぎゃんぎゃん泣くばかり。
(うわあ、大変そうだなあ…)と思ったその時、
「こんな混んでる時間に子ども連れてくるなよ!」
という、イラついた声がした。
 
声の主は中年の男性っぽかったけど、怖くて顔も見れない。
 
いやいやそれはないでしょ。
こういうときこそアサーティブだよね!
なんか言った方がいいよね!(というか気持ち的にはその男を怒鳴り返してやりたいけどね!)
 
と心の中では思ったんだけど、
いやいやいや最近電車の中で怖い事件がいっぱい起こっているし、何か言うと逆恨みされるかも…、と思うと何も言葉が出ない。
 
近くの人が一緒に子どもをあやそうとしたんだけど、そうすればするほどギャン泣きが大きくなってしまい、謝り続けるお母さん。
こんなとき、心の中で母子にエールを送るのがせいいっぱい(たぶん私も周りの人も)。
 
そこでふと思い出したのは、
「迷ったときは『私はどうしたいのかなあ』と、考えるのがアサーティブの第一歩だよ」
と以前教えてもらった言葉。
 
混んだ電車の短い時間の中で「私はどうしたいのかなあ」とオロオロと考えてみた。
 
あの男に怒鳴り返してやりたい
みんなの前で反省させたい
 
最初はそんな(あいつをやっつける!的な)考えしか出てこなかったのだけど、いやいやそれもちょっとちがう。というかそんなことできない。
でもそのとき、
「あのお母さんと子どもの味方になりたいんだよなあ」
と、なんとなく思った。
だとしたら、私にできることがいろいろありそう。
 
次の駅までもうすぐだったけど、子連れの女性に近寄って(かなり小声で)
「よかったらあちらに移動しませんか。私荷物もちますから」
と言ってみた。
 
そして「すみませ~ん、すみませ~ん」と(小声で)言いながら人をかきわけ、男からなるべく遠く離れられる位置まで先導していった(でもせいぜい10メートルくらいだったかも。そのときの子連れの女性の反応は全く覚えていない)
乗客の皆さんもさささーっと道をあけてくれた(みんな味方なんやな)
 
ひょっとしたら独りよがりの行動だったかもしれない。
あまりにも緊張しててその前後の記憶がほぼないのだけど、おろおろしながらも自分がんばったな、という思いは残った。
 
(講座参加者の体験談より)