2009/10/16 汐生の思い

懐かしの銭湯

少し前の話になります。自宅のお風呂がある日突然壊れてしまいました。週末に入る直前だったこともあり、大慌てで大家さんに連絡しましたが、修理の連絡は週明けになりますとのこと。

仕方がないので、近くの銭湯に行くことにしました。

実はこの銭湯、私が学生時代とその後を合わせて5年余り通っていた銭湯です。 もう20年以上も前(!)のことになります。数年前に今のマンションに引っ越 してきたとき、学生時代暮らしたアパートの周りのお店が今も変わらずあることに感激したことを思い出しました。クリーニング屋のおじさんが、ちょっと年をとっても全く変わらず一生懸命働いている様子を見たときは、思わず目の奥が熱くなりました。

銭湯は、あのころと変わらない風景の一つでありました。

私が学生の時は確か、250円から毎年値上がりして、最後は295円だったような気がします(おぼろげながら、ですが)。それが今回行ってみると、450円。これは本当に、プチ贅沢ですね。500円玉を握りしめて行っても、帰り道に自動販売機で飲み物を買うことができない値段です。

もう一つ変わったのは、銭湯のおじさんの座るイス。学生時代は銭湯の脱衣所の方を向いていたのですが、今はちゃんと(笑)、外を向いて座っていらっしゃいました。

がらりと引き戸を開けると、懐かしいにおいと空間がありました。木の床とロッカーと、そして大きな鏡。10円のマッサージチェア。お風呂の中も、あのころと全く変わりませんので、本当に時代を一瞬スリップしたような気がしました。早い時間に行ったので、お風呂場は私一人だけです。そこで、学生時代と同じように体の芯まで温まって、湯けむりの中でのんびり時間を過ごしたのでした。

自宅のお風呂は数日で直りました。小さなバスタブとシャワーの自宅のお風呂は、銭湯の広々とした様子とは全く違っています。手足を伸ばせばすぐに壁にぶつかってしまうような、そんな小さなお風呂です。自宅にいると外に出るのがおっくうになるのですが、時々は銭湯に行ってみようかと今は思っています。