2010/10/22 講座から
過去と折り合いをつける
アサーティブネストレーナー養成講座の中では、それぞれの参加者の「自分史」を短時間ですが話をしてもらっています。参加されている方々一人ひとり、これまでどのように生き、どのような葛藤を抱えながら現在アサーティブネスにチャレンジしているかをお話しいただきます。毎回涙あり、笑いありの話で、私はいつも感動しながら拝聴しています。
最近ある方のツイッターの言葉の中に、とても素敵なつぶやきがありました。
「大人は、ある時に自分の環境とか過去とか親とかに、ちゃんと前向きに折り合いをつけないといけない日がくる。それをしていれば将来ちゃんと前向きに生きていくことができる」と。
先日の養成講座の中である人の話を聞きながら、その言葉をかみしめておりました。
それは、とてもつらい過去の中でずっと責め続けていた母親を、一人の人間として見つめなおし向き合って許すことができたというお話でした。それまでは、自分を傷つけた悪い人、と思っていたのが、「この人もこういう理由でこうしたんだ」と理解し、尊敬するようになったというお話。自分が○○してあげたんだから、あなたも△△して当然でしょうと、相手を責める主張をずっとしていたのが、アサーティブトレーニングの中で、「私が○○するのは、私がそうしたいから。そしてあなたが△△するのはあなたが決めて」と伝えることができて、そして初めて母親と対等に誠実になることができたというお話でした。
「(透明な心で)過去と向き合って折り合いをつける」ことによって、現在の関係が変わってくる。そのためには涙も怒りも伴うけれど、そうしたプロセスを経ることで、自分を縛っていた恨みや非難の感情から解放されて自由な一人の人間になるのでしょうね。これまで覆っていた恨みや悲しみの顔が次第に穏やかな顔に変わっていくのを、私は感動しながら見ていました。
それぞれの人生史を聞くたびに、私はいつも一緒に泣いてしまいます。でもその話を聞くことで、私も自分の過去の様々な人と折り合いをつけて許していける気持ちになれます。浄化されている感情は、他者の感情も浄化していくのでしょうね。そうすることで、人に対してもっと優しくそして寛容になれる気がします。
自分が何かを変えられるとか、できるとか、という傲慢な気持ちが消え、目の前の等身大のその姿に自分の心が洗われて謙虚になれる。私ができることは、一生懸命生きることだという原点に、もう一度立ち返ることができるのです。
先週末は心が洗われるようなとっても素敵な一日をいただきました。本当に心から感謝します。