2013/10/7 講座から

アジアの女性リーダーとの時間

大変ご無沙汰しています。前回のエントリーから、なんと2か月もたってしまいました!この間は、新しい本の作業に追われておりました。新刊のタイトルは『怒りの上手な伝え方』になります。発売は今月末です。お楽しみに!

さて、本題です。先週、大変面白い講座を担当させていただきました。
IDACA(アジア農業協同組合振興機関)で、アジアの農村女性のためのアサーティブトレーニングの1日研修を担当させていただきました。

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今回の参加国は、カンボジア、インド、インドネシア、ラオス、ミャンマー、ネパール、タイ、ベトナムの8か国。農村の協同組合のリーダーや国の農林省などの女性マネジャーとして、主に農村の女性たちを組織する仕事をしている女性リーダー11名でした。私自身は、こちらの研修の担当は今年で5回目となりますが、毎回担当する度に、とてもとてもエンパワーされる体験をします。

彼女たちは、自国を離れて1か月以上日本に滞在し、農業の現場を見ながら、コミュニティを作っていくことや、起業の仕方、組合の運営方法などを学んでいくのですが、英語のレベルもさることながら、年齢もキャリアもまちまちの皆さんが、お互いとても協力的で、熱心で、親身に助け合いながら研修に参加されています。

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先日は、ロールプレイの含めた「アサーティブトレーニング」を、農村女性のエンパワメントの一環として行いました。「アサーティブ」は、20年、30年前は「社会の中でものを言う権利を持たない」人たちが、"自分の自己主張の権利を認識して自分と仲間のために立ち上がる"ために使われていたことがありました。その、"アサーティブの原点"を、彼女たちは身に沁みて感じ取ってくれます。というのも、彼女たちだけではなく、自国で出会う農村の女性たちのほとんどが、自己主張ができないまま、日々の生活や教育不足に悩み、政治に参加できないまま、苦しんでいるからです。

多くの社会では、女性差別がまだまだ一般的です(最近出版された、シェリル・サンドバークの『LEAN IN女性、仕事、リーダーへの意欲』でも、アメリカにおける女性の低い地位に関する実態を指摘しています)。女性であるがゆえに、発言権がない、決定権がない、家事育児は当然のことながら女性だけが負っているという現状の中で、「自国の女性たちのためにこそ、アサーティブを身につけなければ」という切実な思いと真剣に取り組む姿に、毎回本当に心を打たれます。笑いあり、涙あり、憤りを共有したり励まし合あったりなど、様々な感情を共有しながら時間を忘れて一緒に学んでいくプロセスが、本当に「アサーティブの原点に返った」という気持ちにさせてくれたのでした。

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彼女たちに語りかけながら、『12の権利』を読みながら、ロールプレイを一緒にしながら、彼女たちの後ろに立っている数多くの「物言わぬ」女性たちの姿が垣間見えるようで、私自身も真剣に心を込めてお話をさせていただきました。

写真をご覧いただくと、柔らかで素敵な笑顔がたくさんあります。こんな笑顔に励まされて、私もがんばらなくちゃと思いました。本当にありがとうございました。