2014/4/7 講座から
相談できる人を持つ
ありのままの自分を受け入れること。
失敗をしても、拒絶にあっても、そんな自分を受け入れて大切にしたいと思えること。
つらいときに無理に我慢するのではなく、誰かに相談して助けを求められること。
疲れたら休みをとり、強くなれない自分でも許してあげられること。
自己信頼があるとは、そんなことかもしれません。難しい人間関係にアサーティブに対処するためには、長期的に自己信頼を築いていくことが必要になります。中でも、一人で抱え込むことなく、困った時に相談できる人を持っていることは、とても大事です。
これは私が以前、仕事に疲れ果てて燃え尽きたときのことです。
厳しい上司に毎日のようにひどく叱られ、いつまでたっても仕事が終わらず、睡眠時間を削る日々が何年も続いていました。だんだん体がしんどくなり、自分でも何を感じているのかわからなくなり、心のマヒ状態となっていました。ある日、とうとう職場で涙が止まらなくなり、「ああ、自分は壊れてしまうのか」と思ったときがありました。
ある日私は決心して、上司に3ヶ月の休職を願い出ました。
「どうがんばっても今は仕事を続けることができません。お休みをください」と。
上司は理解し、私は3ヶ月のお休みをいただきました。3ヶ月たって職場復帰し、仕事のステップアップをして、その後はすっかり元気になりました。
さて、その間、私のつらい気持ちに耳を傾け、相談に乗ってくれたのは、ある友人でした。私が落ち込んで泣いてばかりいたときにも、「そうか、つらかったんだね。でも、あなたは大丈夫よ、どうであっても私たちはあなたを好きだからね」と言い続けてくれました。
仕事の自分がボロボロになっていても、ありのままの自分を本当に好きでいてくれる友人たちに、私は救われたのです。
・一人で抱え込まないこと。
・しんどくなったら早めに相談すること。
・そして、相談できる人間関係を日ごろから作っておくこと。
そうしたことを心がけていれば、思いもかけないことで足をすくわれても、大変な失敗をしてどん底に落ち込んでも、必ずはい上がることができることを知りました。
アサーティブであることは、スーパーマン/スーパーウーマンになることでも、落ち込んだ時に平気を装うことでもありません。ありのままの自分を認め、弱さも至らなさもすべてひっくるめた自分自身にOKを出し、自分の悩みや葛藤から逃げることなく向き合う力をつけることが、私たちの「人間としての強さ・奥深さ・他者への寛容性」をつくってくれるのではないでしょうか。
自己信頼を高め自分を大切にできるようになれば、相手を対等なひとりの人間として尊重することができます。自分の権利を尊重することができれば、他人の権利が侵害されたときに気づくことができます。そして、攻撃的になることも卑屈になることもなく、おかしいことにはおかしいと、誰をも責めることなく、誠実に、対等な立場から主張することもできるようになるでしょう。
人間関係はすぐには変わりません。長い目で自分を大切にすること、相手を大切にすることにあきらめず向き合っていくことが、自己信頼に基づいたアサーティブな人間関係を生み出していくことになるのです。