2020/4/14 汐生の思い

不安を「言葉にする」ことから

皆さま、各地で、それぞれの現場で、日々どのようにお過ごしでしょうか。
 
未曾有の状況の中で、私自身不安や無力感に飲み込まれそうになりながら、何とか元気で過ごしております。
 
現在はひとり事務所で作業しながら、在宅ワークのスタッフとリモートでコミュニケーションを取っています。ある意味時間があるからこそ(笑)これから少しずつ、このブログ上で、つぶやきをアップしていきたいと思います。
 
先日の日曜日、急遽連絡がとれた理事のメンバー数名と話す機会がありました。そこで、いろいろと今後のことで、考える機会がありました。
 
そこで、3つのことを思い返しました。
 
一つは、不安や恐れを、言語化すること。
二つ目は、相手の不安を受け止める力をつけること。
その上で三つ目に、アサーティブな行動を選ぶこと。
 
 
アン・ディクソンさんは、アサーティブであるとは、まずは自分自身に正直になることだと、常々話をしています。
わかっているのですが、実はとっても、とっても難しい。
 
そのことに気づいたのは、自分の不安が攻撃的な行動になって現れていることを自覚したことでした。
 
危機の時の対応の仕方は、それぞれありますが、私自身は危機感が強ければ強いほど、「周囲をコントロールする」という方向に向かいます。頭の中に黄色のアラートサインが常にグルグル回っている感覚が先週まで続き、家の外での危機感を家の中に持ち込まないようにするために、必要以上に家族を縛っている自分に気づきました。これまでの日常を変えないために、あらゆる場面で「不安にならないために、人と状況をコントロールする」自分がいたのです。
 
そのために、家族とけんかになり、思い通りに動かない子どもたちに腹を立て、という日々が続きました。
 
「これではだめだ」と、ある時気づきました。
そして、落ち着いて家族に気持ちを話す時間を持ちました。
正直に自分の気持ちを話すうちに、涙が止まらなくなってきました。
そして、「ああ、自分は不安だったんだ」
と、初めて気づいたのです。
 
経営をどうしよう、スタッフは、今後の講座はどうなるのか、生活はどうなるのか。
実は、とても、とても不安に感じていたのです。
その不安について正直に話ができてから、自分の状況が客観的に見えるようになりました。
不安から周囲に厳しく接するのではなく、不安だからこそ自分の弱みを見せて、周囲に優しくして、家族と一緒に笑って、豊かな時間を持つ、という方向に変えよう。
そう自分に誓ってからは、家族にも優しくふるまえるようになりました。
 
 
自分の不安を隠すのではなく、「不安なんだよね」、「しんどいよね」、「とっても怖い」という、自分の気持ちを「言語化する」こと。
それは、アサーティブの第一歩です。
 
不安を隠そうとすればするほど、周りを攻撃したり、自分を攻撃してしまいたくなる。
不安なのは自分だけでない。相手もそうなのだとわかれば、相手の気持ちも受け止められるようになります。
不安に感じているのは事実であって、それは、当然なことなのだと。
不安を感じながら、その上で自分が何を選ぶかが、問われるのだと。
 
アサーティブの「内側の力を持つ」とは、自分の感情を適切に言語化するだけでなく、相手の痛みや悲しみについても、否定したり、見下げたりするのでなく、「そうなんだね」と受け止める力を意味します。相手の不安から生じる攻撃的な態度に反応して防衛的になるのではなく、心の中で「相手も苦しんでいるのかも」と考えながら、聴く。
 
そうすることで、自分はどう行動したらいいのか、が、見えてきます。
 
不安から攻撃することもできるし、黙ることもできる。不安から、相手が間違っていると否定したくなることもあれば、不安を隠して黙ることもできる。私のように、自分が不安を感じないために周囲をコントロールしまくる、という行動に出ることもある。
 
そうではなくて、アサーティブでいるとすれば。
 
自分と相手に誠実になる
回りくどくなく、率直に伝える
自分も人間、相手も生身の人間であることを忘れず、対等に向き合う
そして、自分も相手も責めないことに責任を持つ
 
それを選ぶとしたら、自分はどうしましょうか。
今日の一日、どのように過ごしましょうか。
目の前にいる大切な人に、一緒に仕事をしている仲間に、遠くにいる友人たちに。
わたしは、どのように行動することを、選ぶのでしょうか。
 
そんなことを、自分に言いきかせながら、今日も生きることができました。
 
大変な時だからこそ、丁寧に言葉にする。
言葉にする努力を忘れないようにしたいと思います。