2021/4/27 事務局から
リモートワークのコミュニケーション
新年度になりました。
リモートワークが増えた結果、職場やチームで、顔を見て直接話す機会が減った、飲み会やランチがなくなり愚痴や悩みを話す場がない、人間関係が疎遠になりコミュニケーションがギクシャクしている、などの声が様々な職場で聞かれるようになりました。
新年度になり「入社したけど、ほとんど出社していません」という新入社員からは、先輩に何をどう相談してよいかわからない、そばで教えてもらう機会がなくて、孤立してしまう、という悩みも耳にします。
今も続くコロナ禍の状況の中、もともと信頼関係のできているメンバー同士であればリモート体制でもなんとかなりますが、これから新しい人間関係を作るというときに、オンラインを通して関係を作っていくのは、本当に、本当に大変なことだと思います。
私自身、昨年度、子どもの学校での新しい委員会の責任者をしておりましたが、最初の顔合わせがZoom。その後、お互いのことも全く分からないまま活動開始、いろんなことを話せる関係になるまで1年近くかかりました。年度の途中に時間をとり、会って、話して、一緒に現場で活動をして、やっと年度の終わりに「本当にお疲れ様~」とお互いをねぎらうことができました。それでも、「一度も顔を合わせたことがありません」というメンバーがいたことに、驚いたのを覚えています。
話せる関係があること。お互いを理解でき、信頼という土台の上で業務を進められること。
リモートワークの中では、私たちの持つ人間関係の質がどんなに大切かを痛感します。
お互いの関係ができていれば、多少言い方がまずくても、言葉が足りなくても、言葉の裏にある事情を理解しながら話し合うことができます。多少、チャットの言葉がぶっきらぼうでも、「この人は、いま、忙しいのかな」と想像できますし、後輩のメールの内容から「何かあった?」と声をかけることもできます。
つまり、関係ができていることで、「おもんぱかること」や「率直に声をかけること」ができやすくなる。その結果、問題解決の方向に進みやすくなるのです。
ところが、リモートワークの中で物理的な距離が広がり、お互いが疎遠になったり、そもそも人間関係すらできていないという間柄だと、ささいな一言にカチンときたり、チャットの表現で誤解を招いてしまったり。文字によるコミュニケーションが主になると、話の中身が業務中心となるため、ますます、お互いの様子(つまりその人が今どのような状況か、何を考えているのか、何を感じているのか)が見えない、ということになるのですね。
それでも。
現状がどんなに難しくとも、お互いの関係ができていなくても、私たちはコミュニケーションをとりながら業務を進めていくしかありません。なぜならば、複雑、かつ解決を求められる課題が山のようにある中で、互いの知恵を出し合いながら問題を解決していくしかない時代だからです。
そこで、私たちはどのように話し合い、お互いを知り、関係を築いていくことができるのでしょうか。
具体的な工夫やヒントは、様々なところで紹介されていますので別に譲るとして、アサーティブな視点から言えば、基本は一つです。つまり、自分も相手も尊重して、攻撃的でも受身的でもなく話し合いをする努力をすること。
相手という“他者”を、自分と異なる対等な人として尊重する
自分自身が感じること、考えること、望むことを、大切にする
相手の意見が自分のものと異なっていたら、「なるほど」といったん受け止める
その上で、一緒にどの問題を解決したいのかを考え、問題解決のために向き合って話し合う
相互のやり取りを面倒くさがらずに、時間をかけて合意を作る
そして、それができる関係を持っている自分と相手を誇りに思う
リモートワークの時代だからこそ、その原点を常に忘れず、仕事を進めていきたいと思います。