2012/5/8 講座の報告
被災地で生きる女性たち -釜石でアサーティブトレーニング開催しましたー
さる4月25日・26日の二日間、岩手県釜石市教育センターにて「自分も相手も大切にするアサーティブコミュニケーション」が開催されました。
主催団体は、釜石市の仮設住宅を拠点に支援活動を展開している釜石ママハウス。アサーティブジャパンが被災地支援として全面協力し、トレーニングを提供いたしました。
↑平田仮設住宅にある「釜石ママハウス」
最初にメールでご依頼をいただいたのち、お電話にて釜石の被災状況や、仮設住宅で暮らす子育て中のお母さんたちの現状についてお話をうかがい、やりとりを続けた結果、「ぜひ講座開催に協力させてください!」ということになり、釜石市教育委員会のご協力も得て、開催が実現しました。
↑ママハウスの素敵な面々。気さくで明るい雰囲気です。
2日間で約21名の方に参加いただきました。
参加者の中には、仮設住宅で暮らす方、震災後に義父母との同居や引っ越しを余儀なくされた方、子育て中のお母さん、求職中の方、地域活動のリーダーさんなど、年齢も立場もさまざまな女性たちが集まってくれました。
↑この日のために、遠い地域からかけつけてくれた参加者も
最初はぎこちなかった参加メンバーの皆さんも、しばらくするとぽつぽつとおしゃべりが始まり、
「どこの仮設ですか?」
「ああ、あそこは被害が大変でしたね...」
「引っ越してから言葉がよくわかんなくて、知り合いもいなくて...」
「このまえ、久しぶりにヨガをしに行ったんですよ」
「え?どこどこ?」
など、だんだんなごやかな雰囲気に。
↑Babyも一緒に参加中。
東北の女性は我慢強いと言われています。
そのうえ震災後の厳しい状況が加わって、ますます我慢とストレスをため込んでしまっている人も。
「みんなが大変な思いをしているんだから、これくらい辛抱しなきゃ」
と、ぎりぎりまでがんばり過ぎていたり、
「自分だけわがまま言っちゃいけない」
と、困っていたりつらい気持ちを見せないように明るくふるまっていたり、
「夫だって疲れているんだから、家事・育児に協力してなんてとても言えない」
と、あきらめていたり。
女性であること、そして被災していることの二重の抑圧の中、
ギリギリのところでがんばってふんばって、それでも一歩前進
しようと葛藤している皆さんの姿には胸を打たれました。
↑ロールプレイで「伝え方」を楽しく練習中!
講座では実際にアサーティブなコミュニケーションを体験していく中で、いろんな方と交流して共感したり笑ったり。
一方で張りつめていた気持ちがふとゆるんで、思わず涙があふれる瞬間もあり、ゆったりとあたたかな講座となりました。
「仮設に子どもと篭りっきりの日々だったけど、今日はたくさんの人とおしゃべりできて、1人じゃないって思えた」
「困ったときは助けを求めていいって思えたら、涙がでちゃった」
「自分のこと、もっと大切にしていいんですね」
「こんな伝え方があるなんて!もっと早く学べば良かったなー」
「久しぶりに自分の正直な気持ちに触れた感じ。」
「震災後、住む地域がばらばらになって知り合いがいなくてさびしかったけど、いろんな地域の方と知り合いになれて本当にうれしかった!」
(講座の感想より)
震災から1年以上たった今でも、現地を歩いてみると、復興に至るにはまだまだ時間がかかるであろう現状を目の当たりにしました。
引き続き息の長い支援と「忘れてないよ。 応援しているよ」というメッセージが、もっともっと必要です。
そのためにできることを、続けていきたいです。