2013/11/15 講座の報告
一歩ずつ前に進む釜石の女性たち 〜アサーティブ講座in釜石〜
さる2013年11月5日(火)6日(水)の2日間、釜石市教育センターにて開催しました 『上手な気持ちの伝え方のコミュニケーション講座 〜アサーティブトレーニング〜』(主催:釜石ママハウス 後援:釜石市教育委員会)は、2日間でのべ30名の市民の方にご参加いただきました。
参加者は若い世代から最高齢は70代の女性まで、妊娠中の方、子育て中の方、求職中の方、親の介護のために関東から引っ越してこられた方など幅広い層の皆さんに、楽しみながらアサーティブコミュニケーションについて学んでいただきました。
↑講座風景。釜石市内だけでなく大槌町からの参加もありました。
講座では、年齢や立場をこえてわいわいとおしゃべりしながらトレーニングを進めましたが、被災地特有のコミュニケーション上の課題をひしひしと実感することもありました。
たとえば...
・被災地支援をしてもらっているから、支援者側にこちらの要望を言いづらくてつい我慢してしまう。
・狭い仮設の中で暮らしているので、家族にはささいなことでつい感情的な言い方になってしまう。
・働きに出たくても保育施設が少なく子どもを預ける場所がない。被災後は近所付き合いも変わってしまったので、子どものことを頼みづらい。
・自分は波をかぶっていないので(家を流されていないので)、会合ではつい遠慮がちになってしまう。
・たまには自分のために趣味の時間をとりたいけど、まわりから贅沢っていわれそうで出かけるのは気が引けてしまう。
などなど、皆さん話し出したら止まりません。
「ああそうそう」「わかるわかる」と、世代をこえて地域をこえて話がはずみます。
講座のなかではまずは「まわりを気にして我慢してしまうのではなく、自分の気持ちを適切に表現する方法がある」ということを学んでいただきました。
ストレスをためこまず、まわりにぶつけるのでもなく、アサーティブなコミュニケーションの力を使って少しずつ自分を表現できるようになることで、参加者のみなさんはますます元気に笑顔に。
↑困っている場面をロールプレイで再現し、伝え方のトレーニング中。
講座を終えて、「アサーティブのポイントを冷蔵庫に貼って毎日忘れないようにしたい」という方や、「新しく暮らし始めた地域だけど、少しずつ自分の気持ちを伝えられそう」という方、「釜石でアサーティブを伝えていきたいー!」という方まで、さまざまなうれしい反響がありました。
1年ぶりに訪れた釜石の街は、少しずつ新しいビルが建ち、復興に向けて一歩また一歩と進んでいる姿が印象に残りました。
↑釜石港の夕暮れ
これからはビルや建造物などの形ある復興だけではなく、人と人のつながり、より余裕をもって子育てや仕事をしていける環境づくり、そして助け合い協力し合えるコミュニティをふたたび築いていくことがますます必要となっていくことを実感しました。
それにしても今回特に印象に残ったのは、前にもまして元気に前向きに、目の前の問題解決に向かってしなやかに取り組んでいる釜石近郊の女性たちのパワーです。
↑笑顔いっぱいの釜石の女性たちと記念写真
特に子育てしながら市民活動をしているママさんたちのパワーは素晴らしかったです。
「ここで子育てをしていく」
「ここで家族と、地域と、良い人間関係を築いていく」
「そのために皆で協力して話し合って、前に進んでいく」
皆さんのそんな覚悟を感じました。
彼女たちがいれば、きっと大丈夫。
これからもずっとエールを送っていきたいと思いました。
前年に引き続き今回もアサーティブの講座開催を企画してくださった「釜石ママハウス」の元気なママサポーターの皆さんとスタッフの皆さん、そして参加いただいた皆さんに、心から感謝いたします。