2021/6/3 講座の報告

「アサーティブネスの心理学的位置づけ」オンライン講演会(5/23)レポート

2021年5月2日(日)に、堀田美保さん(近畿大学総合社会学部教授)を講師にお迎えし、オンライン講演会「アサーティブネスの心理学的位置づけ~心理療法から心理教育へ」を開催いたしました。
 
講演会には100名を上回る方々からお申し込みをいただき、当日は2時間にわたってアサーティブネスの歴史や心理学的な位置づけについて知識を深める濃厚な時間となりました。
 
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人権尊重に基づいたコミュニケーションであるアサーティブネスの考え方や方法が、どのような歴史をもち、様々な心理学の影響を受けながら社会の中でどんな変遷を経て発展してきたのか、これまであまり真正面から語られることが少なかった研究発表に、「とても貴重な講義だった」「アサーティブネスについての理解がさらに深まった」との声を多数いただきました。
当日の講義の流れや、参加者からいただいた感想を中心に、皆さんにシェアしたいと思います。
 
▼講演会の流れ
 
まずは講師である堀田美保さんの立ち位置から。
 
長年アサーティブネス研究に取り組んでこられた研究者として、そして日常生活でもアサーティブコミュニケーションを活用されている実践者としてのお話、研究と実践の橋渡しをしていきたいとのお話が印象的でした。

 

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そしてお話は、アサーティブネスの歴史へ。
心理学の歴史をひもときながら、様々な心理学的要素においてもとりわけ「行動主義」「認知主義」「人間性主義」の三つの要素がアサーティブネスの理論やトレーニングの方法論としてうまくとりいれられているということ。
アサーティブネスの根幹をなす「人権尊重」の考え方が、どこからきたものなのかをあらためて知ることができました。
 
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ソーシャルスキルトレーニングや認知行動療法、アンガーマネジメントとの違いや共通点についても、具体例をあげながらのレクチャーがあり、比較することでそれぞれの良さや適用範囲などをあらためて学ぶことができました。

 
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また、アサーティブトレーニングの効果をどのように測定するかという「効果測定」のお話には皆さんの興味関心がかなり高く、後半の質疑応答の時間でも時間を割いてお話しいただきました。

 

質疑応答タイムでは、学問上の質問から、企業におけるアサーティブの効果や、発達障害当事者へのアプローチ、子どもたちにアサーティブを教えることなどなど、幅広い質問にお答えいただきました。

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▼参加者の感想より

ぜひ第二弾を開催してほしい!という熱いリクエストも多数頂戴いたしました。

今後も様々なテーマでともに学べる場を作っていきたいと思っています。

 

▼もっと詳しく学びたいとお考えの皆さん、堀田美保さんの著作「アサーティブネス その実践に役立つ心理学」(ナカニシヤ出版)、ぜひお読みください。

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ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。