2009/5/21 牛島のり子
方言とアサーティブネス
こんにちは。アサーティブジャパン専属講師の牛島のり子(牛やん)です。
この仕事をしていると、ありがたいことに日本全国いろんな土地に行ってアサーティブネス講座を担当させていただく機会にめぐまれます。
講座の種類によっては、参加者の皆さんにロールプレイ(実際に場面を設定してアサーティブに伝える練習)を体験していただきます。そんなときの私のひそかな楽しみは、その地方のリアルな方言(?)によるロールプレイが体験できることなのです。
その土地独特の方言は、東京の言葉とはまたちがった味があり、会話をきいているだけでその人の生活のにおいや、人間味を感じるあったかい瞬間でもあります。
ずいぶん前の某地方における講座でのことです。講座冒頭からエネルギーあふれるリアル方言(?)が飛び交い、参加者の皆さんは大変な盛り上がりようです。
ところがいざアサーティブネスのロールプレイをやってみると、なぜか皆さんNHKのアナウンサーかTVドラマの俳優さんみたいな言葉遣いになってしまいました。
「このお仕事を手伝っていただけると、私とってもうれしいですわ」
みたいな(笑)。
「ひょっとして、ふだんもそんなふうにしゃべっているんですか?」ときくと、皆さん大笑いして首を振ります。どうも「アサーティブに伝えよう」と思うと、「いつもとちがう言葉遣いで、きれいにスマートに伝えなきゃ」って思われがちみたいですね。
しかし、もちろんそんなことはありません。
アサーティブネスの原則を意識しながらも、どうぞありのままの『自分の言葉で』しゃべってほしいのです。
「この仕事ば手伝って欲しいっちゃけど、どぎゃんやろか?」(←九州の某地方バージョン)みたいな。
誰か他の人の言葉を借りてきてしゃべる必要はありません。
大事なのは『あなた自身の言葉』で、自分も相手も尊重できる伝え方ができること。
アサーティブネスって、そんな人間くさい『生きた言葉』で伝えあうコミュニケーションのことなんです。