2009/7/15 牛島のり子
おこだでませんように
こんにちは。アサーティブジャパン専属講師の牛島のり子(牛やん)です。
最近、友人たちの間で話題になっている絵本があります。
「おこだでませんように」(くすのき しげのり:著 小学館:発行)という題名の、小学校低学年向きの絵本です。
うわさを聞いて、書店でなんとなく手にとって読んでみました。
「ぼくはいつもおこられる。
いえでもがっこうでも...。
きのうもおこられたし、きょうもおこられている。きっとあしたもおこられるやろ...。
ぼくはどないしたらおこられへんのやろ。
ぼくは...「わるいこ」なんやろか...。」
(出版社からの内容紹介より)
そんなおこられてばかりの少年の物語です。
いつもまわりに悪い点ばかりを指摘され、誤解されてばかりの少年の心の内側が伝わってきて、
思わず涙ぐんでしまいました。
家庭や学校にかぎらず職場でも、相手をおこる(いわゆる「ダメ出しをする」「改善点を伝える」)ということは、よくあることでしょう。
しかしそんなときに、自分が相手をどんなまなざしで見ているかに、私たちは案外鈍感なのかもしれません。
「なんてダメな奴、またこんなことして・・・」「まったく困った人」etc・・・自分が相手に貼り付けた、そんなレッテルの数々を1枚1枚はがしていくこと。
そのうえで、相手の話に充分に耳を傾けられる心の余裕を持っておくこと。
それが、相手を真に大切にしてアサーティブに向き合う第一歩なのでしょう。
世界中の子どもたちが、そして大人たちが、
『ぼくは...「わるいこ」なんやろか...』
というつぶやきから自由になれますように。
そして自分自身も、相手を卑下するまなざしから解放されて、人を人として大切にできますように。
そんなことを感じた絵本でした。
ちなみにこの少年、絵本の後半で、天に向かって素敵な願いを打ち明けます。
それは、読んでのお楽しみ。
夏休みに、お子さんと一緒に読むのもいいですね。