2010/8/30 堀田美保

「誰か~~!」って誰?

こんにちは。アサーティブジャパン認定講師の堀田美保(みほ)です。

以前参加した、女性向けの護身術の講座で、先生がこんな問いかけをされました。
「たとえば、繁華街でひったくりにあったとします。そこで人に助けを求めるとき、どうしますか?」

問われた私は考えました。
できるかどうかは分からないけど、とりあえず盗られまいとして抵抗するよね・・・

「きゃ~~?!」でしょ。

で、逃げられたら「泥棒! 誰かその人捕まえて~~?!」

かな?

これはいずれも不正解だそうです。

まず、襲われたときには「きゃー」じゃなくて「うおぉ~~~
それも低い太い声で大きく!予想外の対応で相手をまずはひるまさせる!

それからその次は、
「誰か~~」ではなく「そこのメガネをかけているあなた!」

この話をしていたら、ある人も話してくれました。

「あっ、それ救急講座で聞きました。事故とかに遭遇したときに、周りの人に指示を出すときには、『誰か、119番してください』ではなく『そこの茶色のズボンの方、119番お願いします』と言いなさい、と習いました!」

実はこれは、心理学の中でも有名な「傍観者の心理」というテーマの中で言われていること。

『大勢の人がいる「のに」誰も助けてくれない』ではなく、
『大勢の人がいる「から」誰も助けてくれない』

自分以外にも人がいるときには「助けるのは私でなくても・・・」という心理が働いて、人々の中にいわゆる「責任の分散」というのが生じてしまうからなんです。

これらは人を助ける話ですが、それ以外の場面でもそういう心理、はたらきますよね。
例えば、会議である人が延々と演説を続けている時、みんなが心の中でつぶやくこと・・・

「もう、長いなぁ・・・、時間もったいないなぁ・・・」
「早く誰か何か言わないかなぁ・・・」

これもひとつの「責任の分散」。
「誰か」を待っていては事(こと)は起こらないですよね。

ただしこの場合、アクションを起こすのは「そこのメガネの人!」ではなく「私!」でありたいものですね。
そして、しかもアサーティブに