2011/5/12 中野満知子
フリージアの花の香
こんにちは。アサーティブジャパン認定講師の中野満知子(まちこちゃん)です。
「フリージアの花の香って良いでしょう、私大好き!」と顔に近づけたとき、
その人は「嫌いだ!」と言った。
「え~、なんでぇ?こんなにいい香を嫌いだなんて・・・」
と顔の前でひらひらと花束をゆらした。
「小さいころから病気がちで、よく入院していた。その病室にいつも飾られていた花がフリージアだった」のだと聴いて、私はしゅんとなった。
遊び盛りの子どものころに、病室のベッドに縛り付けられているのはどんなに苦痛だったろう。
そのときの苦い思い出とフリージアの香が結びつくのは当然だ。
言いたくないことだったかもしれない。それなのに私はしつこく良い香であると強調し、なぜ嫌いかを問うたのだ。自分がしてしまったことを後悔した。
時々自分が良いと思うことや物、価値観を無意識のうちに相手に押し付けていることがあるかもしれない。
自分にとって良いものが必ずしも相手にとって良いものとは限らない。
それは頭では分かっているが、ふっと「良いものなのに~」と受け取ってもらいたくなる。
もちろん「なぜ?」を説明することも、互いの理解を深めるのには大事だが、
相手と違うからといって、「なぜ?」と問いただすことまでしなくても良いこともある。
しばらくの闘病の後、その人は逝ってしまった。
もう何十年も前のことだが、フリージアを見るたびに、つい誰にでも同意を求める自分の心を戒めている。
「フリージアの花の香って良いでしょう、私大好き!」と顔に近づけたとき、
その人は「嫌いだ!」と言った。
「え~、なんでぇ?こんなにいい香を嫌いだなんて・・・」
と顔の前でひらひらと花束をゆらした。
「小さいころから病気がちで、よく入院していた。その病室にいつも飾られていた花がフリージアだった」のだと聴いて、私はしゅんとなった。
遊び盛りの子どものころに、病室のベッドに縛り付けられているのはどんなに苦痛だったろう。
そのときの苦い思い出とフリージアの香が結びつくのは当然だ。
言いたくないことだったかもしれない。それなのに私はしつこく良い香であると強調し、なぜ嫌いかを問うたのだ。自分がしてしまったことを後悔した。
時々自分が良いと思うことや物、価値観を無意識のうちに相手に押し付けていることがあるかもしれない。
自分にとって良いものが必ずしも相手にとって良いものとは限らない。
それは頭では分かっているが、ふっと「良いものなのに~」と受け取ってもらいたくなる。
もちろん「なぜ?」を説明することも、互いの理解を深めるのには大事だが、
相手と違うからといって、「なぜ?」と問いただすことまでしなくても良いこともある。
しばらくの闘病の後、その人は逝ってしまった。
もう何十年も前のことだが、フリージアを見るたびに、つい誰にでも同意を求める自分の心を戒めている。