2012/9/11 中野満知子

トゲがあってこそのバラ

rose.jpgこんにちは。アサーティブジャパン認定講師の中野満知子(まちこちゃん)です。

我が家の玄関横の垣根には、亡き義母が植えたバラが大きく育ち、つるが絡みつくようになった。花が咲いている間は美しくて、目を楽しませてくれるのだが、郵便受けから新聞を取るときなど、油断してると、チクッとトゲが刺さって「あ、痛い」という思いをする。

花屋の店頭に活けてあるバラは見事に美しく、花束にしてもらっても、トゲはきれいにそがれていて、手に刺さることはない。先日も大きな花束をもらう機会があり、真っ白な大輪が何本か良い香りを放つそれは、もちろんトゲのことなどまったく気にすることなく、顔をうずめるように鼻を近づけ、しばしうっとりしたものだ。しおれる前に、花瓶から取り出し、下を向かせそのままドライフラワーにしてある。

こんなとき、決まって思い出すのは『トゲがあって何が悪い』と言う先輩からのメッセージ。13年前に送られてきた絵手紙には、真っ赤なバラの花が、はがきいっぱいに描かれていて、そう書き添えてあった。新聞部の部長だったKさんは当時、ちょっと斜に構えて鼻息も荒い私たち後輩部員には、とても優しく穏やかな人であった。卒業後中学校の先生をされ、子どもたちのために、管理者たちと激しく戦い続けたようである。
 
「生徒をすみからすみまで管理しようとし、『子どもに権利なんかない!』という多数派のケッタイな先生たちの指導を受けながらも、したたかに生きぬいている子どもたちに拍手!と書いてもいらっしゃる。本当に開放されるまで、言葉と行動で徹底的に闘いたいと、子どもたちの味方であろうとし続けて定年を迎えられた。

トゲがあってこそのバラだと思うが、そのトゲは相手に痛い思いをさせるためにあるのではなかろう。守るべきもののために、自分を守るために、必用なものであり、バラがバラらしくあるためのものだと思う。

相手にトゲをさすことなく、それでもトゲとなっている所を相手に理解してもらうためにどうするのか? 自分らしくありつつも、言葉で行動で表現するアサーティブが、私をトゲとともに、まだまだ育ててくれている。