2013/3/18 堀田美保
「俯瞰(ふかん)する視点」 ―トレーナー研修より―
こんにちは。アサーティブジャパン認定講師の堀田美保です。
先日、アサーティブトレーナー対象のフォローアップ研修に参加してきました。
毎回様々なテーマでスキルアップに取り組むのですが、今回のメインテーマは、体を使って表現することを通じて、身の回りにある問題を考えてみようというものです。
6人程度のグループで「変えたいと思っていること」を出し合い、その中からテーマを1つ選びます。
社会のこと、自分のこと、なんでもOKです。
手順は以下の通り。
(1)問題のショット作り
そのテーマについての現状を「写真で切り取る」とどんな光景になるか、グループメンバーで表現します。
たとえば,「会社でのパワハラ」という問題だと、
ある日のオフィス
課長が,新人のAさんを呼びつけて罵詈雑言を浴びせ叱り飛ばしている
離れたデスクでは同僚がビクビク。でも知らないふり
その瞬間をみんなで表現します。
(2)解決のショット作り
そのことが解決されたときには、どんな風になっていて欲しいのか、やはり、同じように表現します。
課のみんなが,円陣を組んで肩を抱き合い
「がんばろー!」と一丸になっている
(3)過程のショット作り
(1)から(2)に至ったのは、どんなことが起きたからか、を表現します。
同僚が薦めてくれた社内のコーディネーターが間に入り、
課長と新人Aさんが,話し合いの場をもっている
課長が言い過ぎたという気持ちを持ち始めた。解決に向けての第一歩
部署では同僚が心配して、そわそわ
(1)から(3)を順に作り発表していきます。
誰が、どこにいて、どんな表情でいるか、どんなことを感じていて、何を言うか、
メンバーで、あーでもない、こーでもないと、細かなところまで決めていきます。
いろいろな案が飛び交い、作業自体とても楽しいものですが、楽しいだけではなく、多くの気づきがありました。
中でも、最大の気づきは、
1つの問題には、多くの人がからんでいる
ということ。
私達が何かをなんとかしたいと思うとき、どうしても,「問題の人」を思い浮かべ、
その人に怒りを感じたり、変わってほしいという要求をつきつけたりします。
アサーティブ・トレーニングでは、通常、誰か特定の人に対するコミュニケーション、つまり1対1の対話を練習するので、どうしても自分とその相手に意識が集中します。
でも、このワークでは、グループメンバー全員が何かの役をする、というルールがあるために、
いくつもの役を考えなければなりません。
つまり、当事者以外の存在に意識を促されます。
たとえば、パワハラは課長と新人Aさんだけの問題ではなく、
見て見ぬふりをする同僚B、C
課長のやり方に賛同するおつきの部下D
課長にノルマを強いる上司E など、
多くの人が絡んで成立している現状であることに気がつきます。
それは、解決や過程のショットでも同じです。
それぞれの人に、何かできること、やらねばならないことがあるのです。
この「過程のショット作り」では、パワハラに直接的間接的に関わった多くの人たちが、それぞれどんなアクションを起こすことによって解決に結びつくことができるのか、を真剣に議論し表現しました。
アサーティブ・トレーニングの中で、自分に向き合う時は、主に、
対象に近寄り五感を活用してじっくり見つけ出す、いわば「虫の目」。
このワークショップでは、主に、
高い所からより広い範囲を俯瞰し、さまざまな場所や状況に視界を広げる 「鳥の目」。
この2つの目、両方が問題をとらえ、解決を探るには不可欠である。
そんなことを改めて確認した週末でした。
ちなみにビジネスでは、
世の中の流行や時間の流れを感じとる「魚の目」や、
固定観念から抜け出て物事を反対から見る「コウモリの目」なんていうのも、
重要とか!
いろいろな目が使えることは有用そうですね。
※なお、このワークショップはthe Philippine Educational Theater Association (PETA) によるプログラムにヒントを得て行われたものです。アサーティブジャパンではPETAとの交流があり、これまでフィリピンより二度トレーナーを招いてワークショップを開催した実績があります。
先日、アサーティブトレーナー対象のフォローアップ研修に参加してきました。
毎回様々なテーマでスキルアップに取り組むのですが、今回のメインテーマは、体を使って表現することを通じて、身の回りにある問題を考えてみようというものです。
6人程度のグループで「変えたいと思っていること」を出し合い、その中からテーマを1つ選びます。
社会のこと、自分のこと、なんでもOKです。
手順は以下の通り。
(1)問題のショット作り
そのテーマについての現状を「写真で切り取る」とどんな光景になるか、グループメンバーで表現します。
たとえば,「会社でのパワハラ」という問題だと、
ある日のオフィス
課長が,新人のAさんを呼びつけて罵詈雑言を浴びせ叱り飛ばしている
離れたデスクでは同僚がビクビク。でも知らないふり
その瞬間をみんなで表現します。
(2)解決のショット作り
そのことが解決されたときには、どんな風になっていて欲しいのか、やはり、同じように表現します。
課のみんなが,円陣を組んで肩を抱き合い
「がんばろー!」と一丸になっている
(3)過程のショット作り
(1)から(2)に至ったのは、どんなことが起きたからか、を表現します。
同僚が薦めてくれた社内のコーディネーターが間に入り、
課長と新人Aさんが,話し合いの場をもっている
課長が言い過ぎたという気持ちを持ち始めた。解決に向けての第一歩
部署では同僚が心配して、そわそわ
(1)から(3)を順に作り発表していきます。
誰が、どこにいて、どんな表情でいるか、どんなことを感じていて、何を言うか、
メンバーで、あーでもない、こーでもないと、細かなところまで決めていきます。
いろいろな案が飛び交い、作業自体とても楽しいものですが、楽しいだけではなく、多くの気づきがありました。
中でも、最大の気づきは、
1つの問題には、多くの人がからんでいる
ということ。
私達が何かをなんとかしたいと思うとき、どうしても,「問題の人」を思い浮かべ、
その人に怒りを感じたり、変わってほしいという要求をつきつけたりします。
アサーティブ・トレーニングでは、通常、誰か特定の人に対するコミュニケーション、つまり1対1の対話を練習するので、どうしても自分とその相手に意識が集中します。
でも、このワークでは、グループメンバー全員が何かの役をする、というルールがあるために、
いくつもの役を考えなければなりません。
つまり、当事者以外の存在に意識を促されます。
たとえば、パワハラは課長と新人Aさんだけの問題ではなく、
見て見ぬふりをする同僚B、C
課長のやり方に賛同するおつきの部下D
課長にノルマを強いる上司E など、
多くの人が絡んで成立している現状であることに気がつきます。
それは、解決や過程のショットでも同じです。
それぞれの人に、何かできること、やらねばならないことがあるのです。
この「過程のショット作り」では、パワハラに直接的間接的に関わった多くの人たちが、それぞれどんなアクションを起こすことによって解決に結びつくことができるのか、を真剣に議論し表現しました。
アサーティブ・トレーニングの中で、自分に向き合う時は、主に、
対象に近寄り五感を活用してじっくり見つけ出す、いわば「虫の目」。
このワークショップでは、主に、
高い所からより広い範囲を俯瞰し、さまざまな場所や状況に視界を広げる 「鳥の目」。
この2つの目、両方が問題をとらえ、解決を探るには不可欠である。
そんなことを改めて確認した週末でした。
ちなみにビジネスでは、
世の中の流行や時間の流れを感じとる「魚の目」や、
固定観念から抜け出て物事を反対から見る「コウモリの目」なんていうのも、
重要とか!
いろいろな目が使えることは有用そうですね。
※なお、このワークショップはthe Philippine Educational Theater Association (PETA) によるプログラムにヒントを得て行われたものです。アサーティブジャパンではPETAとの交流があり、これまでフィリピンより二度トレーナーを招いてワークショップを開催した実績があります。