2014/5/15 堀田美保

人生の夢リスト

こんにちは。アサーティブジャパン認定講師の堀田美保です。

以下の数字は、あるアンケートへの中高校生からの回答です。

    選択肢        比率
    60歳くらい    10.7%
    70歳くらい    20.5%
    80歳くらい    34.0%
    90歳くらい    18.8%
    100歳以上    15.9%

アンケートの問いは、なんだかわかりますか?

    「あなたは何歳まで生きたいと思いますか」です。

これを見た瞬間、違和感を感じました。

    中高生にこれを問う意図はなんだったんだろう
    こんな問いを中高生に放り投げて、その後どうしたんだろう

と、そもそも設問自体に戸惑いました。
この問いは裏返せば「あなたは,何歳で死にたいですか」ということです。

そして、それ以上に、私の中で何ともやるせない思いが湧き上がってきました。

    どうして、60歳、70歳、80歳なの? 
    できるだけ長生きしたい、とはみんな思わないんだ...と。

そこには,中高生から見た「高齢者」「加齢」というものが反映されているように思います.年をとれば「幸せではない」「死んだ方がいい」といったことなのでしょうか。

これは、何も中高生に限ったことではなく、おそらく私たちの社会でそんなイメージを持っている人は少なくはないでしょう。「サクセスフル・エイジング」という言葉が使われるようになってしばらく経ちますが、どうやらそれは社会では実感されるまでには至っていないようです。

年を重ねるにつれて、もちろん、身体的な機能や認知的な機能は弱ってきます。俊敏な動きや筋力、視力や聴力、記憶力など、低下していくことはいくつもあります。でも、精神的機能や社会的機能は、必ずしもそうではないはずです。賢さや穏やかさ、人とのつながり、あるいは、いろいろな縛りからの解放感、自己信頼、そして愛情や幸せといったものは、増えていくことだってあるはずです。でも、今、そう感じることが難しい社会なのでしょう。

「年を重ねる」「老いを生きる」という問題に対して、私たちが伝えている、アサーティブなコミュニケーション、アサーティブな生き方はどんな力になるのでしょうか。

「らしさ」やステレオタイプなどから自由になり、主体的に生きていくこと、自分の時間を大切にすること、自己を尊重し、他者を愛せること、お互いを大切にした関係を作ること、そのための1つの道具として、アサーティブネスは私たちを支えてくれる、そんな気がしています。

その答えに確信を持てるようになるには、まだこれからですが...。

でも、その予感を持ちながら毎日を過ごし、その連続である人生を進めたらな、と思います。

    60歳になったら!
        70歳になったら!
            80歳になったら!

    あれをしよう、これをしよう、あんな風になっていたい。

今から「人生の夢リスト」を描いてみようと思います。