2016/9/15 森田栄子

相手への見方が変わると関係が変わる

こんにちは。アサーティブジャパン認定講師の森田栄子です。

私はアサーティブの考え方の中で、特に好きな言葉があります。それは
「コミュニケーションパターンはその人の本質ではなく、クセである」
という考え方です。
そのことに関して、思い出したエピソードを書いてみます。

先日、親族の一人から強い口調で批判をされました。高齢の親の介護方針をめぐって、私たち夫婦を一方的に責めるような内容で、正直かなりびっくりしました。

昔の私だったら即座に感情的に反論するところですが、アサーティブを学んだおかげで、相手の言い分に耳を傾けて冷静に話をすることができました。

しかし、話し合いが終わった後で、自分の中にまだかなりの怒りがあることに気づきました。

たしかに冷静に相手の話を聴いて話をすることはできたかもしれません。でも内心私は
「そんな言い方はないでしょう?」
「なんでこちらの苦労をわかってくれないの?」
と、相手へのネガティブな感情で心も頭も一杯になっていたのです。

翌日、アサーティブの仲間たちにこの話をすると、「きっとその親族の方は不安でたまらなかったのよね」「なんとかしたいと焦っていたのかもしれないね」という視点で率直な感想を言ってくれました。

たしかにそうかもしれない。
相手は私を責める意図ではなく、きっと不安でたまらなくて、でもなんとかしたいという気持ちで、言い方がキツくなってしまっただけかもしれない。
そんなふうに相手へのポジティブな視点が得られると、自分の中の怒りがすーっと軽くなっていきました。

翌日、その親族の方と話す機会があったとき
「詳しい情報を伝えていなかったから、きっと不安でしたよね」
という言葉がするっと口から出てきました。
するとその方も
「そうなのよ。この前は感情的になって悪かったわね」
という言葉が返ってきたのです。

私自身の相手への見方がかわったことで、相手の反応がこんなにも変わるなんて。
苦手な相手の「攻撃的な」言い方は、その人の「本質」ではなかったのです。

「コミュニケーションパターンは、その人の本質ではなく、クセである」

アサーティブで大切にしているこの言葉の意味を、あらためてかみしめている今日この頃です。