2018/4/3 竹崎かずみ

役割を離れたひとりの人間として

アサーティブジャパン専属講師の竹崎かずみです。
 
先日、定年を迎えた男性の友人と話していた時の出来事です。
 
他愛のない話の中で、その友人が静かにほろりと涙ぐんだことがありました。
以下はその時の友人の言葉です。
(友人には掲載の許可をいただきました)
 
『今までは、男であること、親であること、また職場での役割を優先し「自分がどうしたいのか」ではなく、「男として/親として/上司として、こうすべき。こう言うべき」と考えてずっと行動してきた気がする。
 
しかし仕事を退職し第2の人生を意識した今、役割から離れた一人の人間として
「自分はどうしたいのか?」
と自分に向き合わざるをえなくなった。
 
最初は役割からはずれた自分にとまどいが大きかったけど、最近は、この年で自分に正直になることで、涙ぐむような自分も許せるようになったんだよね』
 
それまでの彼への印象は
「いつも元気で声も大きく明るく笑っている人」
「常に前向きで、弱みはみせない人」
でした。
 
なので、力なく涙ぐむ姿を見たときにとても驚きましたが、同時に「涙や弱さを見せてはいけない」という「ステレオタイプの男性」へのイメージに縛られずに話している友人を見て、なんだかとても感動しました。
 
私たちの周りにはいろいろな役割があります。
 
例えば、「性別・年齢・夫・妻・親・子ども・○○の仕事をする人・管理職・新人」など、あげればきりがありません。
 
もちろん、役割上何を優先するのか、立場上どうふるまうかは社会の中を生きていくうえでは大切なことです。
 
しかしその役割を少し脇に置いて、
「自分はひとりの人間として、どうしたいのか」
と考えることは、とても勇気がいることだと思います。
 
私も友人を見習って、勇気を持って自分自身に正直に向き合っていきたいなぁと、あらためて思ったひと時でした。