2019/9/27 名古澄代

相手の感情は相手のもの

こんにちは。アサーティブジャパン認定講師の名古澄代です。
 
つい先日のことですが、研修からの帰宅がいつもより1時間くらい遅くなりました。
 
たいていの場合は私が玄関に入った気配を感じると、奥から「お帰り!」という夫の声が聞こえるのですが、部屋に入り「ただいま!」と声をかけてもムスッとしていて返事もしませ
ん。
その日遅くなることは、前日も出がけにも伝えておいたのに、何かあったのかなー?と思いながらも、私は買ってきたお弁当を食べる準備をしていました。
 
 
こんなとき、アサーティブを学ぶ前の私だったら、夫が不機嫌にならないように先回りして気を遣い、少しでも彼が不機嫌になると「自分が怒らせてしまったのではないか」とあれこあれ原因を考えながらその場を丸く収めようとご機嫌を取ってしまうパターンでした。
 
それでも彼の態度が変わらないと
「私は何も悪くないのに不機嫌な態度をとっている夫が悪い」
と、自分も不機嫌の応戦をしてはストレスをつのらせていました。
 
 
アサーティブを学んでからは「相手の感情は相手のもの」ということが腑に落ちました。
 
彼にも自己表現の権利があるのだ、ということ認めることにより、原因をあれこれ考えることもなくご機嫌を取る必要もなくなり、気持ちがとても楽になったのです。
 
 
さてその日のその後のことですが、不機嫌な夫としばらくお互い無言で食べていましたが、夫がポツンと一言
「今日は帰ってこないのかと思った」
と言ってそのまま寝室へ行ってしまいました。
 
 
ひょっとして心配だったのかな??と思い、何かひとこと話をしようかとも思ったのですが、相手が不機嫌(感情的)な時にはアサーティブな対話はむずかしいということを思い出し、その場は思いとどまりました。
夫は不機嫌なまま寝ても、たいてい翌朝は普段通りの態度に戻るので、翌朝きちんと話をしようと思ったのです。
 
その翌朝、朝食時、自分から声を掛けました。
「昨日は心配かけちゃったみたいだね。次から新幹線に乗った時点で連絡するようにしようか」
と、さらりと伝えました。
 
すると夫も
「自分も事前に聞いていたにも関わらず、思い込みで怒ってしまい悪かった。
今度は心配になったら、自分からも連絡するね」
と話してくれ、今までのようになんとなくなあなあで問題をなかったことにするのではなく、二人で問題解決ができた事を実感した朝でした。
 
ほんのささいなことだけど、こんなささやかな会話の積み重ねがアサーティブだよなあと痛感する日々です。