2020/7/9 竹崎かずみ

介護家族にとってのアサーティブ

こんにちは。アサーティブジャパン専属講師の竹崎かずみです。
 
今年に入って、同居している義父(95歳)の介護が本格的にスタートしました。
現在、夫と私とで在宅介護に奮闘する毎日を送っています。
思うように動けない義父を、共働きの私たち夫婦だけで介護するのは難しく、たくさんの方にサポートを求めることで、なんとか乗り切っています。
 
私が以前、自分の両親や義母を介護のすえ看取ったのは10年以上前のことなので、その当時と比べると、介護支援業界の目覚ましい進歩を肌で感じています。
 
特に介護にご協力いただくヘルパーさん、ケアマネージャーさん、デイセンターのスタッフの方、通院している病院の医師や看護師さんなど、プロフェッショナルな皆さんの専門
知識の豊富さ、対応のスピードや行動力の素晴らしさには、ひたすら尊敬の念を抱いています。
 
さて、10年ぶりに家族を介護する立場となった私にとっても、『アサーティブ』は多方面で役に立っています。
 
たとえば義父が、介護支援チームの方のケアの仕方について、家族に不満や愚痴をこぼすことがよくあります。
 
「あの時、あんなやり方してほしくなかった」
「もっとこうしてほしかったのに」etc…
 
そんなとき、もし私がアサーティブを学んでいなかったら
 
「そんなこと言わないで」
「少しは我慢してくださいよ」
 
などと言って、義父の言い分に耳を傾けなかったり、
よく話を聴かないままに支援職の方に一方的なクレームを言ったりしていたかもしれません。
 
でもアサーティブコミュニケーションを知っていると、
まずは本人(義父)の話によく耳を傾けることができるし、
さらに本人の不満や愚痴は、建設的な提案や具体的な要望に変えて(連絡帳や対面で)伝えることができるし、
なにかあるたびに、支援チームの方々とそのつど話し合って解決につなげることができるのです。
 
もちろん時にはうまく伝わらなかったり、どう伝えようかと悩むこと、大変なこともたくさんあります。
 
でも、自分も相手も責めずに関係をつくる「選択肢を持っている」ことは、私自身をとてもらくな気持ちにさせてくれます。
 
アサーティブジャパンでは、支援職の方々にも支援を受ける当事者の方々にも、またその家族の方々にも、アサーティブコミュニケーションの具体的な方法をお届けする講座の機会をたくさんいただいています。
 
・より良い支援を提供するため
・当事者自身が対等に支援を受けるため
・職場や家族との人間関係をよくするため
 
その動機は立場によって様々ですが、それぞれの立場の方がアサーティブを活用することで、介護の場面でも職場や家庭でも、より理解と協力し合える関係が築いていけるのではないかと思っています。