2024/10/21 アサーティブあれこれ

高校生たちのアサーティブ体験から--(自分に正直であることが「リスク」になるこの時代で)

毎年ご依頼をいただいているある高校でのアサーティブ講座では、毎回講座の冒頭に

 

「コミュニケーションがうまい人ってどんな人?」

 

という問いから始めます。

まずは2~3人のグループに分かれてワイワイと話していただき、ホワイトボードに各自、思いおもいのコメントを書いていただきますが、この時間はとても盛り上がります。

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書き出された言葉は、「明るい人/話題豊富な人/しゃべりがうまい人/場を盛り上げられる人/人見知りしない人etc…」などの声が多く、この傾向は毎年変わりません。

「コミュニケーションがうまい人」というと、なんとなくそんなイメージですよね。

 

実際10代後半~20代前半の方々からの相談で多いのは、「相手と話が続かないときはどうしたらよい?」「どうやったら相手を不快にさせないか?」「もっと明るくなりたい(陰キャな自分がイヤ)」「まわりから浮かずにうまく伝えたい」などがあります。これは、大人も同じでしょうか。

でも、若い方々はそのプレッシャーがもっともっと強い印象があります。

 

自分自身に正直であることがこんなに「リスク」であるこの時代のなかで生きている彼/彼女らに、アサーティブコミュニケーションがどう役立つのか?を考えながら伝えるのは、毎回悩ましい問題です。

 

高校生対象の講座では、「アサーティブ = コミュニケーションがうまいこと」ではない、という話から始めます。

 

アサーティブであるためには、「しゃべりがうまく、明るいキャラで、積極的」である必要は全くなく、今のあなたのそのままの性格で、しゃべりが下手なら下手なままで、消極的なら消極的なあなたのままで、「自分と相手を大事にして、気もちや考えをやりとりすること」。
性格やキャラを変える必要はないでのです。

 

では、具体的にどうするかというとね…というところから講座がスタートします。

 

冒頭、「んん??」「はて??」という顔をした皆さんが、講座の中でどんどん元気になっていくのがアサーティブトレーニングの素敵なところ。

 

自分の気持ちを正直に開示することにリスクを感じるこの時代に、「正直に、安全に伝えるやり方」があるんだな、ということを若い世代の皆さんに知っていただけたら、うれしいかぎりです。